破損事故から這い上がってきたシードゥエラー
こんにちは!
ブランド時計研究員のタナベです!
今回はロレックスのスポーツモデルでもある「シードゥエラー」について、お話させていただきます!
飽和潜水に対応したダイバーズとしてサブマリーナーの上位機種に位置するシーデュエラー。
その誕生の経緯をひも解くと、ロレックス社の開発にかける情熱と高い意思を垣間見ることができます。
1960年の初頭には、ロレックス社のサブマリーナーは世界でも有数の高機能ダイバーズとしてプロダイバーたちにも活用されていました。
しかし、1964年、飽和潜水状態での深海探査でサブマリーナーが用いられた時、風防が破損するという事故に見舞われます。
原因は高圧のヘリウムガスがケース内に入り込み、浮上時に膨張、爆発したためでした。
しかし、この事故を受けたロレックス社は、即時に世界的な深海調査に参加するフランスの総合潜水専門会社コメックス社とともに、サブマリーナーの改良に挑みます。
考え出された解決策は、時計内に入り込むヘリウムガスを外部に排出するためのバルブをケースに搭載させることでした。
そして、試行錯誤の末、ガス・エスケープバルブを完成させました。
これをサブマリーナRef.5514に搭載し、飽和潜水に対応した改良版を生み出し、それが初代シードゥエラーの完成につながったのです。
破損事故から7年・・
莫大な開発費用と時間を惜し気もなく投じることのできるロレックス社の開発姿勢ことそが、つねに最高の腕時計を目指す同社の精神を表しています。
いかがでしたか?
最近は、少しでも故障やトラブルが起こると「回収・廃番」という流れになりがちですが、そんな失敗を諸共せず、次に生かしたため「シードゥエラー」という成功につながったのだと思います。