ロレックスの新作GMTマスターⅡのニックネームのゆくえ
ロレックスの2022年の新作で最も話題となったモデル
GMTマスターⅡ Ref.126720VTNR
発表と同時に世界中のロレックスや時計の愛好家、業界人の間で瞬く間に話題となりました。
ここで気になるのがこの緑×黒のベゼルインサートを搭載したモデルの愛称(ニックネーム)です。
とりわけロレックスのなかでも「GMTマスター Ⅱ」と「サブマリーナー」に関しては、色から想起されるイメージにちなんで、いつしかロレックスファンがニックネームを決めるようになったんです。
特に人気の高いロレックスはその傾向が顕著に出ており、過去数々のモデルにニックネームが付けられてきました。
これまでの代表的なものですと
♦GMTマスターⅡ「ペプシ(赤×青)」
もちろん炭酸飲料『ペプシ』のカラーリングで、GMTマスター・赤青ベゼルの愛称です。
現行モデルである126710BLROの他に、過去の赤青ベゼル全般に呼称されます。
♦サブマリーナ「カーミット(緑×黒)」
グリーンベゼル×ブラック文字盤のサブマリーナ。
その色合いから、セサミストリートのキャラクター「カーミット」の愛称が付けられています。
日本ではあまり使われてきませんでしたが、2020年にグリーンベゼルとグリーンダイアルの組み合わせの“ハルク”が生産終了し、“カーミット”が復活したことで、日本でも定着しつつあります。
このように“納得感”と“面白み”を兼ね備えたネーミングがつけられています。
ここで本題に戻りますが、緑×黒ベゼルを搭載した新作の気になるニックネームは
「スプライト」
「レフティ」
の2つの呼び名が登場しています。
ある意味で、「ニックネームのネーミングで混乱している」ように見えますが、この現象が起こった理由は理解できるものですので、解説させていただきます。
まず、「スプライト」というニックネームについてですが、これは、「“従来の法則”でネーミングされたもの」です。
その法則とは、「アメリカンカルチャーから名前を取る」というものです。
特に、GMTマスターシリーズの場合は、青赤カラーのモデルに「ペプシ」、黒赤カラーに「コーク」と命名していました。
そのため、“アメリカンドリンク”から名前を取ることは自然な流れなのでしょう。
この流れがあるため、過去のネーミングの流れからすると、緑カラーが印象的なアメリカンドリンク、「スプライト」をニックネームにすることは自然なことです。
でも!!ちょっと言わせてください。
スプライトって私のイメージとしては「緑×黄」な気がするんです。
ちょーっと無理やり感がある気もしなくはない。
どちらかというとモンスターエナジー感。笑
そしてもうひとつの「レフティ」
これは、そのままの意味で左リューズの「左利き用時計」ということから来ています。
ロレックスは左リューズの時計を過去に作った形跡はありますが、基本的に量産する左リューズは、ロレックスにとって初の試みです。
そのため、その最も印象的な仕様から「レフティ」と呼ばれることも理解できます。
つまり、GMTマスターⅡ「126720VTNR」のニックネームが2つある理由は
①“従来の法則”からのネーミング
→「スプライト」
②“最も印象的な仕様”からのネーミング
→「レフティ」
という2つのネーミングが、両方とも自然な方法として起こっているからなのです。
本来であれば、“従来の法則”でネーミングされたと思いますが、あまりにも左リューズのインパクトが大きくて、このような状況になっていると思われます。
その状況が、個人的に面白くて、今回は取り上げさせていただきました。
さて、時間の経過とともに、このニックネームはどちらかに落ち着いていくのでしょうか。
今後の展開を、見守りたいと思います~!